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医療事務学科医療事務総合学科
医療事務になるには?必要な資格や専門学校での学び方について

医療事務を目指すにあたり、どのような学歴や資格が必要なのか、また専門学校に通うメリットについて詳しく解説します。医療関係の仕事に興味はあるけれど、看護師や理学療法士、薬剤師以外の選択肢を探している高校生の方に、最短ルートで医療事務になる方法をお伝えします。
目次
医療事務とは?基本から最新事情まで

医療事務とは、病院やクリニックなどの医療機関で事務業務を担当する職種です。具体的には、受付業務、診療報酬請求(レセプト)業務、会計業務などを行います。医師や看護師が医療に専念できるよう、縁の下の力持ちとして医療機関の運営を支える重要な役割を担っています。
医療事務の主な業務内容
医療事務の仕事は多岐にわたります。主な業務内容としては次のようなものがあります。
- 受付業務: 患者さんの受付、問い合わせ対応、診察券の発行など
- 会計業務: 診療費の計算、会計処理、領収書の発行など
- レセプト業務: 診療報酬明細書(レセプト)の作成、点検、提出など
- カルテ管理: 電子カルテの入力補助、管理など
- 医療保険事務: 保険証の確認、保険請求業務など
- その他の事務業務: 文書作成、データ入力、スケジュール管理など
最近では、電子カルテシステムの普及やオンライン資格確認の導入など、医療のデジタル化が進んでいます。そのため、ITスキルも求められるようになってきました。
医療事務に求められる資格と知識
医療事務の仕事に就くために国家資格は必須ではありませんが、民間の認定資格を持っていると就職に有利になります。主な資格には次のようなものがあります。
資格名 | 特徴 | 難易度 | 取得にかかる期間 |
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク) | 最も知名度が高い資格の一つ | ★★☆☆☆ | 3〜6ヶ月 |
医療事務管理士 | 全国医療福祉教育協会の認定資格 | ★★☆☆☆ | 3〜6ヶ月 |
医療事務コンピュータ能力技能検定試験 | コンピュータを使った医療事務の資格 | ★★☆☆☆ | 3〜6ヶ月 |
電子カルテ実技検定 | 電子カルテの操作スキルを証明する資格 | ★★★☆☆ | 3〜6ヶ月 |
最近特に注目されているのは、電子カルテ関連の資格です。医療のデジタル化が進む中、ITスキルと医療事務知識を兼ね備えた人材は高い需要があります。
医療事務の市場動向と将来性

医療事務の将来性を考える上で、まずは市場動向を見てみましょう。結論から言うと、医療事務は今後も安定した需要が見込まれる職業です。その理由を詳しく見ていきましょう。
超高齢社会による医療需要の増加
日本は世界でも類を見ない速さで高齢化が進んでいます。総務省の統計によると、2025年には65歳以上の人口が全体の約30%に達すると予測されています。高齢者の増加に伴い、医療機関の受診者数も増加しています。
実際、厚生労働省の「病院報告」によると、2024年の外来患者数は過去5年間で約12%増加しています。患者数の増加は医療機関の業務量増加につながり、それを支える医療事務の需要も自然と高まっています。
医療制度改革による業務の専門化・複雑化
医療制度は定期的に改定されており、その都度医療事務の業務も変化します。特に2023年の診療報酬改定では、オンライン資格確認の義務化や電子処方箋の導入など、医療のデジタル化が大きく推進されました。
こうした変化に対応するためには、専門知識を持った医療事務職員が不可欠です。単なるデータ入力や受付業務ではなく、医療保険制度や診療報酬請求のルールを理解し、最新のシステムを使いこなせる人材が求められているのです。
AIと医療事務の共存:なくならない理由
近年、AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の発展により、事務作業の自動化が進んでいます。これにより、一部の単純作業は確かに機械化されつつあります。
しかし、医療事務の業務すべてがAIに取って代わられるわけではありません。その理由は主に次の3つです。
- 患者対応業務の重要性: 患者さんへの説明や安心感の提供、クレーム対応など、人間的な対応が必要な業務はAIでは代替できません。
- 医療制度の複雑さ: 日本の医療保険制度は非常に複雑で、頻繁に改定されます。そのため、柔軟な判断や解釈が必要な場面が多く、AIだけでは対応しきれません。
- 医療特有の機密性・安全性: 医療情報は極めて機密性が高く、その取り扱いには細心の注意が必要です。人間によるチェック機能は今後も重要です。
実際、医療事務の現場では、AIやシステムを活用しながらも、最終的な判断や対応は人間が行うという人間とテクノロジーの協働体制が構築されつつあります。
データから見る医療事務の雇用状況
具体的な数字で医療事務の雇用状況を確認してみましょう。
求人数と採用動向
厚生労働省が発表している「一般職業紹介状況」によると、医療事務を含む医療・福祉分野の有効求人倍率は2024年時点で約1.8倍となっています。これは全産業平均の約1.3倍を大きく上回る数値です。
また、民間の求人サイトの調査によると、医療事務の求人数は2023年から2024年にかけて約8%増加しています。特に、次のような条件の求人が増えています。
- 電子カルテの操作スキルがある人材
- 医療保険制度の知識が豊富な人材
- 患者対応能力に優れた人材
- 複数の医療事務関連資格を持つ人材
給与水準と待遇の実態
医療事務の給与水準はどのくらいなのでしょうか。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」のデータをもとに紹介します。
経験年数 | 平均月給(2024年) | 年収目安 |
未経験・新卒 | 19.8万円〜22.5万円 | 約240万円〜270万円 |
3〜5年 | 23.5万円〜26.0万円 | 約280万円〜310万円 |
10年以上 | 27.0万円〜32.0万円 | 約320万円〜380万円 |
管理職 | 35.0万円〜45.0万円 | 約420万円〜540万円 |
※上記は一般的な目安であり、勤務先や地域、保有資格、業務内容などにより異なります。
初任給は一般的な事務職と同程度ですが、経験や資格を積むことで着実に収入アップが期待できます。特に、診療情報管理士や医療情報技師などの上位資格を取得すると、より専門性の高い業務に就くことができ、給与も上がりやすくなります。
また、医療機関は福利厚生が充実していることが多く、育児休暇の取得率も高めです。ワークライフバランスを重視する方にも向いている職種と言えるでしょう。
医療事務のキャリアパスと成長機会

医療事務として働き始めた後、どのようなキャリアパスがあるのでしょうか。将来を考える上で重要な成長機会について見ていきましょう。
医療事務から目指せる上位職種
医療事務として経験を積むことで、以下のようなキャリアアップが可能です。
- 医療事務主任/リーダー: チームをまとめる役割を担います。医療事務部門の中心的存在となり、後輩の指導も行います。
- 診療情報管理士: カルテなどの診療情報を管理・分析する専門職です。病院の経営戦略にも関わる重要なポジションです。
- 医療情報技師: 医療におけるIT化を推進する専門職です。システム管理や導入に関わります。
- 医療秘書: 院長や医師のスケジュール管理、書類作成など、より高度な事務業務を担当します。
- 医療事務部門の管理職: 医事課長や事務長など、医療機関の事務部門を統括する管理職です。
- 医療コンサルタント: 医療事務の経験を活かし、病院経営のコンサルティングを行います。
特に診療情報管理士や医療情報技師は、今後のデジタル化の流れの中で需要が高まると予測されています。こうした資格を取得することで、より専門性の高い業務に携わり、キャリアアップや収入アップにつなげることができます。
新たな成長分野:医療DXと遠隔医療
医療分野でも、DX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいます。具体的には、以下のような分野が拡大しています。
- オンライン診療の拡大: 2024年現在、オンライン診療を導入する医療機関は前年比で約20%増加しています。
- 医療情報連携ネットワーク: 地域の医療機関の間で患者情報を共有するシステムの構築が全国的に進んでいます。
- AI診断支援システム: 画像診断などの分野でAIを活用する取り組みが広がっています。
- 医療ビッグデータの活用: 蓄積された医療データを分析・活用する動きが活発化しています。
こうした新たな分野では、医療の知識とITのスキルを兼ね備えた人材が強く求められています。医療事務の経験をベースに、ITスキルを習得することで、こうした最先端の分野に活躍の場を広げることも可能です。
男性医療事務のキャリア事情
医療事務は女性が多い職場というイメージがありますが、近年は男性の医療事務職員も増加傾向にあります。男性ならではのキャリアの特徴と可能性について見ていきましょう。
増える男性医療事務のメリットと活躍の場
2024年の調査によると、医療事務職全体に占める男性の割合は約15%で、5年前と比較して約3ポイント増加しています。男性医療事務が増えている背景には、以下のようなメリットがあります。
- システム関連業務での活躍: 電子カルテやレセプトコンピュータなどのシステム管理業務で、ITに強い男性職員の需要が高まっています。
- キャリアアップの可能性: 男性は長期勤続する傾向があるため、管理職などへのキャリアアップの可能性が高いと言われています。
- 力仕事の補助: カルテの搬送や備品の移動など、時に力が必要な業務もあります。
- 多様性の確保: 医療機関側も職場の多様性を高めるために、男性職員の採用に積極的になっています。
実際に、医療機関の事務部門のトップである事務長や事務部長のポジションでは、男性の割合が比較的高くなっています。医療事務からスタートして、管理職へのキャリアパスを描くことも十分可能です。
男性医療事務の体験談:Aさんのケース
ここでは、医療事務として働く20代男性Aさんの体験談を紹介します。
「高校卒業後、医療事務を目指せる専門学校に進学し、資格を取得しました。最初は『男性は少ないのでは?』と不安もありましたが、実際に就職してみると、意外と男性職員も多く、特に違和感なく働けています。
入職3年目の今では、電子カルテシステムの運用管理を任されるようになりました。ITに関する知識を活かせる場面が多く、やりがいを感じています。将来は医療情報技師の資格も取得して、医療機関のDX推進に携わりたいと考えています。
男性だからという理由で不利になることはほとんどなく、むしろ医療現場全体でデジタル化が進む中、個人として新しい技術への適応力が評価されていると感じます。」
Aさんのように、医療事務からスタートし、IT関連のスキルを磨くことで、医療DXの推進役として活躍している男性職員は増えています。
進路選択のポイント:医療事務を目指すなら

高校生の皆さんが医療事務を目指す場合、どのような進路選択が考えられるでしょうか。今からできる準備も合わせて解説します。
専門学校vs短大vs大学:それぞれのメリット
医療事務を目指す主な進学先には、専門学校、短期大学、4年制大学があります。それぞれのメリットと特徴を比較してみましょう。
進学先 | 学習期間 | 費用目安(総額) | 特徴とメリット |
専門学校 | 1〜2年 | 100万円〜250万円 | ・実践的な技術習得に特化
・早期就職が可能 ・現場で使える資格の取得に強い |
短期大学 | 2年 | 200万円〜300万円 | ・専門知識と一般教養の両方が学べる
・短大卒の学歴が得られる ・編入学の選択肢もある |
4年制大学 | 4年 | 400万円〜800万円 | ・より幅広い知識と高度な専門性
・将来の選択肢が広がる ・研究職や上級職を目指せる ・医療事務だけでなく幅広い教養が身につく |
専門学校は、最短1年で資格取得と就職を目指せるため、早く社会に出たい方や、明確に医療事務を志望している方に適しています。カリキュラムが実践的で、現場で即戦力となる知識とスキルを効率よく身につけられます。
仙台医療福祉専門学校の医療事務学科では、1年という短期間で医療事務の基礎から医事コンピュータの操作まで、幅広いスキルを実践的に学べるカリキュラムを用意しています。また、病院やクリニックでの実習を経験することで、就職後にスムーズに現場に適応できる力を養うことができます。
高校生のうちにできる準備と心構え
高校生のうちから医療事務を目指すためにできる準備には、以下のようなものがあります。
- 基礎学力の向上: 特に国語(文章読解力、文書作成力)と数学(計算力)は医療事務の業務に直結します。
- パソコンスキルの習得: タイピングやExcel、Wordなどの基本操作は早めに習得しておくと有利です。
- 医療や保険に関する基礎知識: 保健体育や家庭科の授業で扱う健康保険の仕組みなどにも関心を持ちましょう。
- コミュニケーション能力の向上: アルバイトや部活動などを通じて、人と接する経験を積むことも大切です。
- オープンキャンパスへの参加: 専門学校や短大のオープンキャンパスに参加して、実際の授業内容や雰囲気を体感しましょう。
特にオープンキャンパスへの参加は、自分に合った学校を見つけるために非常に重要です。授業内容だけでなく、就職サポートの充実度や資格取得の実績なども確認するとよいでしょう。
医療事務を目指す人のよくある質問(FAQ)
医療事務を目指す高校生からよく寄せられる質問に回答します。
Q.高卒から直接医療事務になることはできますか?
A.高卒から直接医療事務として就職することは可能ですが、専門知識や資格がないと採用されにくい傾向があります。独学で医療事務の資格を取得するという選択肢もありますが、医療保険制度や診療報酬請求の仕組みは複雑なため、専門学校などで体系的に学ぶ方が効率的で、就職も有利になります。
Q.医療事務の仕事は本当にAIに取って代わられないのですか?
A.一部の定型業務は自動化される可能性がありますが、患者対応や制度理解に基づく判断、医療機関内の調整業務など、人間にしかできない仕事は今後も残り続けると考えられます。むしろ、AIやシステムを活用しながら業務を行う「人間とAIの協働」が主流になると予測されています。AIを使いこなすスキルを身につけることで、将来性はさらに高まります。
Q.医療事務の資格はいつ取得するべきですか?
A.専門学校や短大に進学する場合は、在学中に取得するのが一般的です。多くの学校では、カリキュラムの中に資格取得対策が組み込まれています。仙台医療福祉専門学校では、1年課程及び2年課程で、入学時から段階的に資格対策を行い、卒業までに複数の医療事務資格の取得を目指すカリキュラムを用意しています。
Q.医療事務の仕事は女性が多いと聞きますが、男性でも働きやすいですか?
A.近年は男性の医療事務職員も増加しており、特に電子カルテなどのシステム管理やDX推進の分野では、男性職員の活躍も目立ちます。前述のように、医療事務から医療機関の管理職へのキャリアパスも珍しくありません。性別に関わらず、能力や意欲が評価される職場環境が広がっています。
Q.医療事務から他の医療職種に転向することはできますか?
A.医療事務の経験を活かして、診療情報管理士や医療情報技師などの専門職に転向することは十分可能です。また、医療事務として働きながら、通信教育などで看護師や臨床検査技師などの資格を取得し、医療技術職に転向するケースもあります。医療機関で働くことで、様々な医療職種の業務内容を身近に知ることができるのも医療事務のメリットと言えるでしょう。
まとめ:医療事務は将来性のある安定した職業選択
この記事では、医療事務の将来性について詳しく解説してきました。ここで改めて要点をまとめます。
- 医療事務は超高齢社会の日本で需要が増加している職種です。
- AIやデジタル化の波の中でも、人間にしかできない業務が多く残ると予測されています。
- 有効求人倍率は全産業平均を上回り、安定した雇用が期待できます。
- 専門性を高めることで、さまざまなキャリアアップの道が開けています。
- 資格取得により、専門性と市場価値を高めることができます。
- 男性医療事務も増加傾向にあり、性別に関わらず活躍できる場が広がっています。
医療事務は、単なる「事務職」ではなく、医療機関という特殊な環境で専門知識を活かして働くプロフェッショナルです。医療のデジタル化が進む今だからこそ、医療の知識とITスキルを兼ね備えた人材として、将来性のあるキャリアを築くことができるでしょう。
進路選択に悩む高校生の皆さん、ぜひ医療事務という選択肢を検討してみてください。特に専門学校で学ぶことで、効率的に必要なスキルと資格を身につけ、早期に就職を実現することができます。
仙台医療福祉専門学校の医療事務学科では、1年課程で、現場で即戦力となるための実践的な教育プログラムを提供しています。最新の電子カルテシステムを使った実習や、医療機関での実務研修など、充実したカリキュラムで皆さんの夢の実現をサポートします。
自分の将来について詳しく知りたい方、実際の授業を体験してみたい方は、ぜひ仙台医療福祉専門学校のオープンキャンパスにお越しください。皆さんのご参加をお待ちしています。